タイニーハウス、とくにコンテナハウスについて、
「10㎡以内なら確認申請不要です」
と説明している会社をよく見かけます。
でも、この言葉だけが独り歩きするのは、かなり危ないと思っています。
まず、
「確認申請が不要」
と
「建築基準法が適用されない」
は、まったく別の話です。
そもそも「10㎡以下なら確認申請不要」というのも、どこでも、どんな建物でも成立する話ではありません。
防火・準防火地域なのか。
新築なのか増築なのか。
どこに、どのような用途で設置するのか。
条件によって扱いは変わります。
そして、仮に確認申請の提出が不要なケースであっても、建築物である以上、建築基準法を守らなくてよいわけではありません。
ここが一番誤解されているように感じます。
最近、コンテナハウスをコンクリートブロック(CB)の上に載せて施工している動画を、業者さん自身がSNSで公開しているのを見かけることがあります。
もちろん、動画だけを見て個々の建物が違法かどうかを断定することはできません。
ただ、国土交通省もコンテナを利用した建築物の違反例として、
・適切な基礎が設けられていない
・コンテナと基礎が適切に緊結されていない
といった例を挙げています。
ですから、
「置いてあるだけだから建築物ではない」
という説明も、そんなに単純ではありません。
国土交通省は、随時かつ任意に移動できないコンテナについて、その形態や使用実態から建築基準法上の「建築物」に該当すると明確に示しています。
トレーラーハウスも同じです。
車輪が付いていれば自動的に建築基準法の対象外になるわけではありません。
給排水や電気が固定されているか。
階段やデッキなどが設置されているか。
実際に随時かつ任意に移動できる状態なのか。
設置状況や使用実態によっては、建築物として扱われる可能性があります。
つまり大事なのは、
「確認申請が必要かどうか」
だけではなく、
「そもそも建築物に該当するのか」
「該当するなら、どの法規を守る必要があるのか」
まで考えることです。
では、なぜこうしたものが今まで大きな社会問題になりにくかったのか。
これは私の推測ですが、確認申請という行政との接点がないまま設置されれば、問題が表面化する機会そのものが少ない、という面もあるのではないでしょうか。
でも、この状態でタイニーハウスやコンテナハウスが急速に増えていけば、いずれ事故や近隣トラブル、違反事例の増加によって社会問題化する可能性があります。
そうなれば一番困るのは、きちんと法令を確認し、真面目に商品をつくっている事業者です。
一部の乱暴な運用をきっかけに、業界全体への規制や運用が厳しくなる。
これは新しい市場が立ち上がるときによく起こることです。
タイニーハウスという選択肢を健全に育てるためにも、
「小さいから自由」
「置くだけだから建築物ではない」
「10㎡以下だから何をしても大丈夫」
という伝え方は、そろそろ業界側が自分たちで改めた方がいいと思います。
せめて、法的な整理が曖昧な施工方法を、あたかも問題のない標準施工であるかのようにSNSで大々的にPRするのはやめてほしい。
規制をつくるのは行政ですが、
“規制を厳しくせざるを得ない状況”
をつくるのは、業界自身なのかもしれません。
お電話でのお問い合わせはこちら
【受付時間】9:00~17:00 (平日・第2,4土曜日)
メールでのお問い合わせはこちら
問い合わせする