「視座高差」
タイニーハウスをプランしていると、小さいがゆえに気になることがちょいちょい出てきます。
今日はそのひとつ、「視座高差」について。
これは私が勝手につくった言葉で、簡単に言えば、人と人との目線の高さがどれくらい違うかという意味です。
まずこの画像を見てください。

男性がキッチンで作業をしています。
右側には、女性がローテーブルに座っています。
この女性の目線は、男性のどのあたりにあるでしょうか。
見た感じでは、太ももあたりでしょうか。
ちょっと下品な言い方をすると、男性のお尻あたりを見ながらコーヒーを飲んでいることになります(笑)。
もちろん、広い家ならそれほど気にならないかもしれません。
でもタイニーハウスは、人と人との距離が近い。
その状態で目線の高さが大きく違うと、なんとなく落ち着かない。
私はそこに少し違和感を感じました。
ダイニングテーブルとチェアを置けば、ある程度は解決できます。
ただ、私はできるだけ、家具によって床の使い方を固定したくないと考えています。
そこで別の解を考えました。
次の画像を見てください。

奥に緑色のオーダー家具があります。
その中にデスクスペースがあり、椅子が置かれています。
ここでは、デスクワークのような視座の高い所作を家具の中に集約しています。
一方で、手前の空間は床に近い暮らし、いわゆるフロアライフができる場所として残しています。
つまり、視座の高さが違う所作を、同じ場所に無理に混在させない。
場所を分けてしまうわけです。
次の画像は、ロールカーテンを閉めてデスクスペースを隠した状態です。

仕事をしないときはデスクを隠し、手前の床面を自由に使う。
座ってもいい。
寝転んでもいい。
小さなテーブルを置いてもいい。
何も置かなくてもいい。
こうすることで、手前の床を特定の用途に縛らずに済みます。
私はこうした考え方を、「所作集約」と呼んでいます。
実は1枚目にあったキッチンも同じです。
立って行う調理という所作を一か所に集め、くつろぐ場所とは少し分ける。
小さいから、何でも一緒にしてしまうのではありません。
むしろ、
小さいからこそ、相性の悪い所作は分ける。
その結果として、残った床をできるだけ自由にする。
タイニーハウスは、単に建物を小さくすれば成立するものではないと思っています。
小さいからこそ出てくる違和感や課題をひとつずつ見つけ、それをどう解くか。
そんなことを日夜考えながらプランしています(笑)。
近いうちに、こうした考え方を盛り込んだ標準プランもお見せできると思います。
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